<令和雛>
制作日:2019年4月
雛匠 東之湖氏は天皇陛下が即位される大嘗祭(だいじょうさい)でお召になる麁服(あらたえ)を大麻(へんぷ)で制作しました。
新元号「令和」の出典として話題の万葉集では大麻を詠み込んだ詩が多くあります。
「麻衣 着ればなつかし 紀伊(き)の国の 妹背(いもせ)の山に 麻蒔く我妹(わぎも)」
天皇家と特別な関係を築き、飛鳥の昔から現在に続く藤原一族の基礎を築いた藤原房前が詠んだと伝えられる恋の詩ですが、
このような大貴族も取り上げるように昔の日本では大麻は誰にとっても身近な存在でした。
また、神事で着用する服や神に捧げるものにも麻が使われており、古来から神聖なものとして扱われていたとされます。
雛匠 東之湖氏が始めて制作され「令和雛」と名付けました。
大嘗祭は、天皇が即位の礼の後、始めて行う新嘗祭(にいなめさい)。
大嘗祭は古くは「おほにへまつり」「おほなめまつり」とも訓じたが、現在は「だいじょうさい」と音読みすることが多い。
新嘗祭は毎年11月に、天皇が行う収穫祭で、その年の新穀を天皇が神に捧げ、天皇自らも食す祭儀であるが、
当初は大嘗祭とはこの新嘗祭の別名でもあった。
後に、即位後初めての新嘗祭を一世一度に行われる祭として、大規模に執り行うこととなり、
律令では、これを「践祚大嘗祭」とよび、通常の大嘗祭(=新嘗祭)とは区別したものである。
悠紀殿(ゆうきでん)、主基殿(すきでん)が建てられる。
大嘗祭では、この日の為に西と東からそれぞれ選ばれた東日本(悠紀殿)、西日本(主基殿)からの収穫が奉納される。